地方創生。この言葉を聞くと、どんなイメージが浮かぶでしょうか?移住促進、観光振興、特産品開発...。確かにどれも大切な取り組みです。
でも、「その土地に住んでいなくても関われる」という考え方がもっと進めばいいな、と思っています。
<2024.12.05J-Wave放送内容>
「当たり前」を疑うところから始まる価値の再発見
ある地域の「当たり前」は、実は他の地域にとって特別な存在っていうことはよくありますよね。
その1つの例として紹介されていたのが、岐阜県飛騨市の「ヒダカラ」の取り組み。地元の人からすれば「いっぱいいるからいらない」と思われていた鮎をブランド化することに成功したんです。
元々IT企業で働いていた女性が飛騨市に移住し、「ネットで売ったら売れるのに!」という視点から始まったこの取り組み。
地元の価値を「外の目」で見直すことで、新しいビジネスチャンスを生み出しました。現在ではかた~い石豆腐を作る老舗の事業承継まで手がけ、伝統を守りながら新しい価値を生み出し続けています。
関係人口という新発想「ヒダスケ!」の挑戦
「移住してもらう」という発想を超えて生まれた画期的な取り組みが、飛騨市の「ヒダスケ!」です。
これは、地域の困りごとと外部の人材をマッチングさせるプラットフォーム。
農作業の手伝いから、商品ロゴのデザイン、お祭りの運営まで、実に多様なプログラムが用意されています。
参加者には地域で使える電子通貨「さるぼぼコイン」が付与され、地域での消費も促進。地域の依頼主からの特別な「オカエシ」(お返し)もあり、Win-Winの関係を築いているんです。
近年では、このように周辺の人たちが週末や旅行のついでにちょっとだけおてつだいをする働き方も注目されていますよね。
デジタルと伝統の融合がもたらす新たな可能性
地方創生というと、すぐにデジタル化を目指したがる傾向があります。
大切なのは、その先。
デジタルを使って何を伝えるか。「ヒダカラ」が成功したのは、単に商品をネットで売るだけでなく、その商品にまつわるストーリーや、作り手の想いまでも丁寧に伝えているから。伝統とデジタルの「いいとこどり」が、新しい価値を生み出しているように思えます。
第二創業という選択肢
また、これは完全に私個人の考えになるのですが、最近注目したいのが「第二創業」という選択肢です。
生半可な覚悟ではできないのは重々承知しています。
でも、すでにある事業を引き継ぎながら、新しい価値を付け加えていく方法です。先述の石豆腐の事例のように、伝統を守りながら新しい市場を開拓することで、持続可能な事業として進化させることができます。
0から作り上げる起業家も大切ですが、それと同時に今あるものをのばしていくのも日本人はとっても得意なんじゃないかな?と思うわけです。
これからの地方創生に必要なこと
地方創生に「正解」はありません。むしろ、「正解」を求めすぎることが、地域の個性を殺してしまう可能性すらあります。
大切なのは、その地域ならではの「当たり前」を見つめ直し、外部の視点も取り入れながら、新しい価値を創造していくこと。
人口減少が避けられない中で、これからの地方創生は「関係人口」の創出など、これまでにない発想での取り組みが求められています。でも、焦って短期的な成果を求めるのではなく、地域の実情に合わせて着実に進めていくことが、結果的には近道になるのかもしれません。
あなたの地域には、どんな「当たり前」が眠っているでしょうか?また、どんな形での地域との関わり方が可能でしょうか?
小さいころからずーっと転勤を繰り返してきた私にとって、「地域」があるというのはとっても羨ましいことなんですよ!!!!